枝分かれした線が一周して繋がる、秀逸さ。 

トゥエルヴ

トゥエルヴ

17歳の著者が描いた全米ベストセラー小説!
<スピード>の即効性、<アシッド>の強烈さ
ニューイヤーズイブを迎えるNYマンハッタン。この時期、ホワイト・マイクのビーパーはひっきりなしに鳴りつづける。彼は、17歳のドラッグディーラーだ。マイクの顧客は、アッパーイーストに住む上流階級の高校生たち。冬休みを迎えてヒマを持てあます彼らは、親のいないタウンハウスで、この日も派手なパーティに明け暮れている。彼らはしらない。イブ4日前のこの夜、ハーレムで2人の少年が殺されたことを。ホワイト・マイクはしらない。自分の親友が殺人容疑で逮捕されたことを。<最高の休暇>は一変、新種のドラッグ<トゥエルヴ>をめぐる、流血と恐怖の静かなカウントダウンが始まった
ファイト・クラブ』以降を意識して書いたというトゥエルヴを読む。若者のドラッグどうこう話は特に日本のは好きではない。今時アピールの。けど、これはめちゃくちゃ面白い。熱を帯びない文章と3人称が効いてる。読み進む度、その構成に感動してしまったよ。久々に興奮。当時、17歳の少年が書いたのがまた凄いなあ。ラストは衝撃なんですけれどね。 ◇アメリカの若者達を描き出すものって明るいよね。日本って暗いよね・・・・。


この小説の冒頭で書き添えられた一文。北京で蝶が羽ばたくとニューヨークで台風が起こる。これって、有名なカオス理論を端的に表現した思考実験の一つ、バタフライ効果(エフェクト)だそうな。
初期条件のごくわずかなずれが、時間とともに拡大して、将来の結果に大きな差をもたらす
うーん、それって考えるとすごくこわいと同時に、とてもドリーミーだ。