今年は秀逸だなあと思うコメディー映画が多かったけど、その中でも群を抜いて断トツ。
相変わらず日本の配給会社には辟易してしまうけど。
原題のままで通したい、「Napoleon Dynamite」。

バス男 [DVD]

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こんな邦題で、ほとんどのプロットに「プロムの相手の女の子をGET!する為云々」ってあるので=電車男?なんて誤解されがちだけど、全くそんなもんじゃない。最強のギーク=オタク、ナポレオン・ダイナマイト(主人公)にとってプロムは日々の1シーンに過ぎないし、彼は別に女の子に対して躍起になってないし、その為にかっこ良くなろうなんてしないし、きっと自分がキモいだなんて思っていない。性格も決して良いわけでなく、ひねくれたままで、最後まで鳥の巣頭にデカ眼鏡、よれたTシャツをズボンにINだ(もちろんケミカルウォッシュのハイウエスト)。そんな訳で、この雰囲気+ナポレオンのキャラ的にいっても、「ウェルカム・ドールハウス」や「天才マックスの世界」の流れを汲む作品だと感じる。性格がそんな良くなくあまり同情の余地がなかったり、ミルク利き大会に出てると事かさ。

鑑賞中たまにクスっと面白いって思うぐらいだったんだけど、ラストのあのダンスで昇天。それまで魅力を感じなかったナポレオンが凄く愛おしい存在になって、めちゃくちゃ面白いじゃないか!と。(しかもそのミュージックは「センター・ステージ」よろしく、ジャミロクワイのあの曲だ)。それからはもう冒頭から何度見ても面白くって。(冒頭の小学生相手に悪態吐くとことか、兄ちゃんに平手打ちくらわして逃げるとことか、友人の昼ご飯を奪ってポケットに詰めるとことか)。爆笑です。サブキャラも濃い。ナポレオンの唯一の友達で高校で唯一ひげの生えた生徒会長にも立候補するメキシコ系ペドロや、引き篭もりでチャット恋愛中のポマードべったり9:1前髪で半ズボンの30歳過ぎた兄貴や、いかがわしい訪問販売を始めたりいきなりステーキを投げつけてきたりする叔父や、学費のために紐売りやカメラマンをする淡い恋の生まれそうな同級生の少女、、、。そうそう、ヒラリー・ダフの姉、ヘイリーがチア・リーダー役で出演。

音も少なく(ただ使ってる音楽はどれもイイ)、ただただシニカルに映画の世界は流れていくから、淡々と。そういう雰囲気はお洒落とも言えるよね。そしてこのシニカルな笑いが本当にもう最高。この映画面白くないって人は信じない。おやつくれても付いて行かない。400万の低予算で大ヒットした、サンダンスで絶賛を浴び、MTVムービーアワードで作品賞を受賞した本作、これを観ずにして墓場に行っちゃいけないよ。


Gosh!とかidiot!が口癖になっちゃうよ〜〜。



ちなみに監督の次回作は、ジャック・ブラック主演、マイク・ホワイト脚本だとの事。スクール・オブ・ロックの最強タッグですよ。そして、プロット・・・・。え、、ジャック・ブラックが神父でしかもルチャ=プロレスラー・・・。このプロットだけでやばくねぇ?