これも既に絶版かな

最近読んだもの。(正確には読み返したもの)


きらきらひかる江國香織

私たちは十日前に結婚した。しかし、私たちの結婚について説明するのは、おそろしくやっかいである―。笑子はアル中、睦月はホモで恋人あり。そんな二人は全てを許し合って結婚した、筈だったのだが…。セックスレスの奇妙な夫婦関係から浮かび上る誠実、友情、そして恋愛とは。傷つき傷つけられながらも、愛することを止められない全ての人々に贈る、純度100%の恋愛小説。
何故か、江國香織然り 村上春樹然り、好きになれないです。ただ、この「きらきらひかる」だけは別。異常に好きなのである。切なくてどうしようもないけど瑞々しくて救われない(やはり苦手な部分はあるけど。それを補い余るほどの)。笑子の気持ちが痛いほど分かる、睦月が大好きです。


□ジェネレーションX/ダグラス・クープラン

僕たちは何も欲しがらない。ヤッピーたちの拝金主義にうんざりし、都会から逃げだした男女三人−−。砂漠のバンガローで独立した暮らしを始めた彼らは、自分たちの人生の価値を発見する。最も90年代的な“透明な絶望感”を描くポストモダン世代のカルト・ロードノベル
ダグラス・クープランド、デビュー作。読み返してみたら、凄く面白いというか好きになっていたこの1作目。登場人物達が語り出す寓話、幾つもの掌編から連なる形式は読みづらいと言えない事もないんだけど、それを補って余るほどの・・・というかこの形式もまたすきみたいだ。無意味とも思える脚注も興味深かったりする。


□シャンプー・プラネット/ダグラス・クープラン

僕はどこにも属さない。
そして、世界中と今この瞬間に繋がっている。
10代が終わり、「工場」の街とガールフレンドを置き去りに新しい生活を始めたタイラー。
軽くクールに生きていけると思っていた。
鮮やかな喪失感を描く、全世界的十代の青春。
「ジェネレーションX」で圧倒的な支持を得たクープランド、待望の第二作。
ダグクーが書く青春小説もこれまた面白い。1作目で主人公の弟としてチラッと登場したタイラーが、違う環境で主役、とちょっと繋がる話。タイトルがまたいいよね。ライフ・アフター・ゴッド然り、これまた装丁買いしてしまいそう(画像がソレです)。ジェネレーションXやライフ・アフター・ゴッドに比べるとかなり読みやすいので初期はこれが1番好きでした。


スパニッシュ・アパートメントきらきらひかる、シャンプー・プラネット。共通するような、結局変わらないままの日常。それでも小さな光を見出せればなと思います。


例えば、
長い周期でみれば 未来をとても明るくは受けとめられなくて。
でも、短く 例えば、明日が明けるのは何だか楽しく感じる。


それは実は意外なアナタのせいなんですよ。