ワンナイト イン モンコック [DVD]

ワンナイト イン モンコック [DVD]

世界で最も人口密度の高い歓楽街、そしてアジア一の犯罪都市、香港の旺角を舞台に、街を仕切る2つのマフィア組織の抗争と、一人の殺し屋、一人の娼婦の物語を描いた作品。

サム・リーは冒頭すぐ殺される役。登場シーンからクールな役所と思えば、すぐぶち切れて、こぶし2個分入りそうな口の広がり具合はCG合成のようだ。てっきりサム・リーが殺し屋役でダニエル・ウーが警察役と想定していたら、ダニエルが殺し屋。ダニエル・ウー(めがね)が良くて棚ボタ。田舎者を演じていて、ださい格好、万歳! 結末は衝撃ですが、結局やくざはどうしたのさ!
もっと複雑入り組んだ群像劇と思っていたら存外分かりやすかった。今、思えば面白かった。/未公開シーンを削ってしまったのが勿体ない。人間味が加わるシーンばかりで、作品に厚みが、表情が豊かになったと思う。/『香港はなぜ"香る港"なの?』と哀しく響くセシリア・チョンの台詞。ストリートでフルーツ・チャンが見出したサム・リーのデビュー作『メイド・イン・ホンコン』でも痛感したように、その土地で育っていない者には*1、それを100%は理解できないのが悲しい哉、残念。/ただ、映像がとても秀逸、香港=旺角(モンコック)の街並が生々しく、空気がリアルに感じ取れるのがイイ。これが香港映画の魅力。/といっても香港の街並を知っている訳でないので、やっぱり映画は現実逃避の娯楽だ。/香港に行ってみたいと思いが募る。街の喧騒だとか熱気、カラフルなネオン、まさにああいう雰囲気なのか。今、フルーツ・チャンの『ハリウッド・ホンコン』が浮かんでます。

*1:中国本土・香港の歴史背景や情勢が分からない、体感していない、ので。