たちの悪い話

たちの悪い話

低温の心地よさに騙されてはならない、鞭打たれるようにシュールでブラック。南ア出身の米作家、バリー・ユアグローの短篇集は1篇が大抵3〜5頁程。アメリカ文学翻訳でお馴染みの柴田元幸さんの訳は、ポール・オースタースチュアート・ダイベックで読み慣れた、その洗練された文章が心地いい。イメージは白。宝箱をひっくり返したようなカラフルな文章も好きだけど、モノクロームな文章もそれはそれで、好き。読後感が決してよくないのは確かに、たちの悪いおはなし。